バブル

週刊朝日2017.2.17P68今週の一冊『バブル日本迷走の原点1980-1989』永野健二、新潮社、評者 片岡義男

 一九八一年に出来たレーガン政権は、減税や規制緩和などによって供給力を上げることで、経済成長を実現させようとした。アメリカの都合でしかなかったこの考えかたを、グローバルを当然の前提として、レーガン政権は世界各国に強要した。レーガン政権の二年前に出来たイギリスのサッチャー政権の経済政策はほぼおなじであり、アングロ・サクソンの側からの次なるお手本として、たとえばレーガン政権と期間の重なる中曾根政権は受け入れた。

 まずとにかく金融と経済において、どんなに好ましくない影響でも、外国から日本へ直接に届く世界へと大きく転じたのが、一九八三年だったとしておこうか。この年の十一月、レーガン大統領は中曾根政権の日本を訪れていたのだから。冒頭に書いたバブルの起点は、この三年後のことだ。

 バブルとは、それまでの日本を支えてきた日本的なシステムによる、グローバルな世界に対する最後の抵抗だった、と僕はとらえてもいる。バブルが消滅してからの失われた二十年は、いったんグローバルになってしまったものは、それがどのようなものであれ解決策はいまのところない、ということの如実な反映ではないか。

 存在していること自体が途方もないリスクである時代のなかに誰もがいる。「日本のリーダーたちは、構造改革の痛みに真っ正面から向き合うことを避けた。制度の変革や、産業構造の転換を先送りしたのは、大蔵省をはじめとする霞が関官庁であり、日本興業銀行を頂点とする銀行だった」とこの本の著者は書く。「彼らは残された力を、土地と株のバブルに振り向けた」

 グローバル化されてからの経済活動の現実と、日本の現在の政権の現実との、目もくらむような乖離のなかに、日本の人たちは今日も生きている。「バブルの時代を知らず、その弊害を何も学んでいない世代が、80年代を懐かしんだり、バブル待望論を口にすることも増えてきた」と著者は書いている。バブルはいまも目の前にあるのだろうか。

トランプ大統領のしようとしてること

週刊朝日2017.2.17P34田原総一朗のギロン堂

 元通産官僚で作家の堺屋太一氏は、トランプ大統領は、日本をまねしようとしているのだ、と言った。

 戦後、奇跡と言われた日本の高度経済成長も徹底した保護政策によって実現したのであり、自由化、開放したのは、レーガン大統領の時代に厳しく求められたためだ。当時の首相は中曽根康弘氏で、だから国鉄、電電公社、専売公社などの民営化を行ったのだという。トランプ大統領は、その点でも日本をまねようとしているのだというのである。

IRE-BAR

週刊文春2017.2.9P107ココモレ☆通信 辛酸なめ子

「IRE‐BAR」      義歯業界のカリスマが卜−クショー

 入れ歯好き同士で語らい、入れ歯業界の活性化を目指す「IRE‐BAR」VOl.3なるイベントが目黒の東京倶楽部で開催。かなりディープなフェティッシュの集いなのかと思い参加してみたら……会場の空気は予想外にストイック。休日なのにきちんとした格好の男女が集っています。

「いや〜今日は女性の先生が多いですね。どちらの歯科大ですか?やはり親も歯科医で?」「いえ私は初代です」近くの男性客が周りを見回し、隣の女性に話しかけています。どうやらガチの歯科業界の集まりだったようです。すごいアウェイ感で、その後は誰にも話しかけられないよう気配を消しました。今回トークショーをするのは義歯業界のカリスマ、村岡秀明先生。トーク前に自己紹介がわりにご自身の歯のレントゲン写真を投影。「入れ歯入れたくて二本抜いた。次は下の歯を……」研究のためか健康な歯を次々抜いているそうで、会場にはどよめきが。トークは先生の略歴から。代々歯科医の家に生まれ、父親の医院で働いていたのが、修業のため北海道の無医村へ。そこでは抜歯の機会が多く入れ歯に興味を持つようになったそうです。「義歯は考古学であり建築学でもあると言われます。遺跡を調べて丘の上の同じところに再現するようなもの」と、深いお言葉。入れ歯を作るコッは「上下別々に作る」「難しそうな場合は保険で作る。失敗したらやり直せばいい」といった言葉にうなずきまくる参加者。過去の症例の動画や写真が投影され、入れ歯が合わないという男性の義歯を作り直して後日「最高!入れてるって感じしない」と言われたシーンでは拍手がおきました。先生の入れ歯に衣着せぬ卜ークはノンストップ。「患者の体型を見るのも大切。痩せてる人は神経質で難しい。筋骨たくましい人は我慢してくれる。太ってる人は次の日入れ歯が食い込んでても『そのうち慣れるでしょ』という反応」患者を選べないのが医者の大変なところで、苦手な患者は朝一に入れてさっさと終わらせるというコツまで伝授。患者として今後気を付けたいです。

「死ぬ時もあの患者さんもう診なくていいんだ、と思えば未練なく死ねる」だそうで、医者は実は成仏率高いのかもしれません。

 予定時間を超えてトークは続き、スムーズに話せる保険適用外の高級入れ歯の性能を見せつけられました。

Pray for 東日本大震災

3月11日でもう6年にもなるのですね。熊本地震でも5年前のお返しだということで物資や人手を出していただきました。熊本地震も悲惨でしたが、津波で何もかも流されてしまったり、原発事故で地元に帰れなくなることはありませんでしたものね。熊本地震では死亡が50人、震災関連死が149人です。東日本大震災は死亡が15893人、行方不明2553人だそうです。熊本からも祈っています。

「それでもこの世は悪くなかった」佐藤愛子

週刊文春2017.2.2P117文春図書館「著者は語る」九十三歳”荒らくれ女”の幸福論『それでもこの世は悪くなかった』佐藤愛子

 作家修業をしている頃、師事していた詩人の吉田一穂(いっすい)先生がこう仰ったんです。

 「女に小説は書けないよ。女はいつも自分を正しいと思っている。そしてその正しさはいつも感情から出ている。だからダメなんだ」

 女は客観性がないからダメだ、という意味ですね。この一言は、私の作家としての基盤になりました。

 その後、夫が事業に失敗し、その倒産額は二億円という当時にしたら天文学的な額でした。さすがの私も気力体力共に萎えて、整体を受けに行きました。臼井栄子先生という、それは人格も技術も立派な方で、その先生が言われたんです。「佐藤さん、苦しい時にそこから逃げようとすると、もっと苦しくなる。正面から受けとめ、受け容れた方がらくなんですよ」と。

 その言葉はその後の私の人生を決めました。私は頑固だけれども、「なるほど」と思ったことには素直に従うんです。単純なんですね。

 我々は生きている間に膨大な言葉を見たり聞いたりして成長するんだけど、山のようにお説教を聞いても何も心に残らないことが多い。けれどもなぜか心にグッときて、いつか血肉化されて行く言葉があって、それが佐藤愛子という人間の柱になったと私は思います。

 人は自分一人の力で出来上るものじゃない、当たり前のことじゃないか、と言われるだろうけど、そのことが、人生の終り近くなって強く実感されましてね。 

肉を主食に

週刊文春2017.1.26P75出口治明のゼロから学ぶ「日本史」講義[古代篇]

 人間の脳は、重さで言えば体重の二、三%しかない臓器です。ところがエネルギーは体全体の二十五%以上も使っている。

 こんな小さいところにそこまでエネルギーを使っているということは、逆に言えば、体の他のどこかで節約しないとエネルギーが足りなくなることがわかります。

 じゃあどこで省エネしているのか。これもいろんな考え方があるのですが、「消化器だ」というのが一番説明しやすい説です。『火の賜物』のリチャード・ランガムはこの説の代表的な提唱者です。

 ホモサピエンスが生まれる以前から、人類は火を使い始めています。熱することでラクに肉を食べることができるようになったわけです。

 植物を食べている動物の胃腸って、めちゃ長いですよね。牛などの草食動物は胃が何個もあって、大量の草を長い時間と多大なエネルギーをかけて消化しないと十分な栄養が取れないことがわかります。

 でも、肉はものすごく高たんぱくな上に、熱せば消化も早くなる。

 人類は出アフリカのあと、全世界に散らばっていきました。「グレート・ジャーニー」と呼ばれるこの大移動は、食糧となる大型草食獣(メガファウナ)を迫いかけていったものでした。平たく言えば、肉のステーキほしさにあちこちに出向いて行ったわけです。地層を調査すると、大型草食獣が急に消える時期にホモサピエンスの骨がたくさん出てくるのです。「こいつらが食べたんだな」と考えるしかないのです。

 つまり、もともと人間は雑食だったんだけれど、消化しやすい肉を主食にするようになって、そこで大脳にエネルギーを回す余力が生まれた。そして複雑な言語を使えるようになったと。最近の健康の本で「人間は実は肉食のほうが、年を取ってからも元気でいられる」といわれているのも、納得できる気がします。

チームワークいらない

週刊文春2017.1.26P88大和ハウス工業会長樋口武男の複眼対談 井村雅代シンクロナイズドスイミング日本代表ヘッドコーチ

井村 今の子は「みんな一緒」で、競争というものがないんです。一番大事なものはと訊くと、「絆」なんて言う。『レベルが低いところの絆なんて単なる傷の舐めあいでしょ。私はこれでは誰にも負けない、この人はこれが誰より凄い、それを認め合うような絆でないといけない。もたれあってほっこりすることは絆じゃないんだよ」と言ったんですけどね。

樋口 目標を高くかかげ、切磋琢磨すべし。競争のないチームワークがあかんのは企業でも同じです。

井村 リオ五輪前の世界選手権で、明日はチーム(八人で泳ぐ種目)の決勝という夜、ミーティングでみんな怖がっていたので、言ったんです、「明日はチームワーク、いらないからね。自分の力だけ100パーセント出しなさい。隣の子は放っとけ。隣は隣でちゃんとやるから」って。リオ五輪の決勝前にも同じことを言いました。

樋口 見事に結果に出ましたね。

熊本地震に関わる炎上騒ぎ

週刊文春2017.1.5・12P154

言葉尻とらえ隊

能町みね子が選ぶお騒がせ炎上2016ベストテン

9位、4月の熊本地震を取材したテレビ局の一連の炎上。まず取材中のMBSアナウンサーが何気なくツイッターに上げた弁当の写真で「現地で食糧を調達したのか」と炎上、その後、関西テレビの中継車が列に割り込んで給油したことが判明して炎上、熊本県民テレビの男性アナが炊ぎ出しの焼き芋の列にいた少女をどかしたとして炎上、さらにTBSの中継中に地元の男性がカメラに向かって「見世物じゃねえ」などと激怒する様子が映ってTBSが炎上。震災と直接関係ない野次馬がここぞとばかりに叩くのはどうかと思うけど、これだけ多発するということは、今までも災害の現場ではこんなことがたくさんあったんだろうなあ。

理想家が馬鹿にされる世界

週刊文春2017.1.5・12P73「トランプ世界大戦」の現実味 池上彰×半藤一利

半藤 歴史的な観点から見ると、いま再びアメリカが大戦後の世界秩序のリーダーから後退して、それに伴ってアジアも欧州もそれぞれの国がそれぞれの利益を追求するようになりつつある。オバマやウィルソンのように、多角的な国際協調や核廃絶といった大きな、そして普遍的な理想を掲げて国際政治をリードしようとする政治家は、これからしばらく世界からいなくなる気がします。いまは理想を掲げていると、きれいごとだ、馬鹿じゃないかと言われてしまう。むしろディールが得意なビジネスマンがいればいいんだ、と。

池上 内向きな世界が広がって、自分の国だけが偉大なんだ、偉大なわが民族を取り戻すのだと、自国民だけに向いて言っている政治家が増えそうですね。そうなってくると、変な指導者が出る危険性もありますね。かつてナチス・ドイツは、偉大なるドイツを取り戻すためとして戦争を始め、ソ連もまた「日露戦争で奪われたものを取り返す」として対日参戦をしました。

半藤 いまはトランプの悪口をこうして言っている人が多いですけれども、アメリカはまだ各国をひっぱる力をもっています。トランプに率いられたアメリカのリーダーシップによって、世界中がトランプのように自国の利益追求を第一とする政策に追従していくのじゃないか。そういう世界になったら、日本の若い人たちはどうするのかいなと訊いてみたい思いがあります。

池上 だからこそ歴史を学び、過去を振り返ることはとても重要ですね。かつてマルクスは「歴史は二度くり返す。最初は悲劇、二度目は喜劇として」という有名な言葉を遺しました。過去とまったく同じというわけではないけれども、かたちを変えて似たような出来事が将来起こる可能性がある。歴史を学ぶことで、これから何が起こるのか、という予測やヒントが得られるかもしれません。

半藤 私自身は、歴史はくり返すなどとは信じていないのですが、歴史にはひじょうに似ている面、動きのクセのようなものは確かにありますね。人間というものはあまり変りませんからね。ことに一九二〇年代末の世界平和・国際協調を重視する時期から、それを全否定する時期への転換点と現代の相似は、驚くほどです。第二次世界大戦へと向った一九三〇年代と比べて、いまは国際的なつながりも強くなり人的な移動も増えたので、そう同じことにはならないとは信じつつも、もしかするとという怖れがある。トランプ大統領の登場は、考えている以上に、世界の転換点にあることの表れなのかな、と思います。

 昔もいまも日本は資源のない国です。現代の国際社会で日本がきちんとした国家として生き残るには、大きく普遍的な価値を掲げて多角的な友好関係を世界規模でこれからも続けていかねばならない。全人類的な見方が大事なんです。馬鹿じゃないかと言われても。

池上 きれいごとを言うな、とみんなが言い出したら危険ですからね。確かにきれいごとだけでは物事は進みませんけれども。でも、理想がなければ、利害の異なる人たちをまとめることはできない。世界各国が内向きへと変る転換期にあたって、二〇一七年は世界をまとめるための大きな理想、普遍的な価値を、改めて模索する年となりそうですね。トランプと話が合いそうな安倍首相にそれができるのか、未知数ですが。

熊本県PR動画「くまもと移住前夜・宮本武蔵」

院長の住んでいる所のJR最寄り駅は「武蔵塚」。そうです、宮本武蔵のお墓が近くにあるのです。院長の住んでいるのは熊本市北区楠、隣町は熊本市北区武蔵ヶ丘です。宮本武蔵は細川家に招かれ、晩年を熊本ですごしました。熊本県が熊本県PR動画「くまもと移住前夜・宮本武蔵」を作ってくれました。おもしろいので是非ご覧下さい。

さよならミスター・ラグビー 故平尾さんしのぶ集いに800人

熊本日日新聞平成29年2月11日(土)朝刊13面

 卓越したプレーと端正な顔立ちから「ミスター・ラグビー」と呼ばれ、昨年10月20日に53歳で亡くなった平尾誠二さんをしのぶ「感謝の集い」が10日、神戸市内で行われた。生前に親交があった著名人ら約800人が、ラグビー界を引っ張ったスター選手を懐かしんだ。

 2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長(54)は平尾氏と同学年。学生時代、ラグビーに打ちこんだこともあって、食事、ゴルフをともにする良き友人だった。

 平尾さんが余命宣告を受けたときは号泣したといい、「亡くなるまでの約1年間は彼といっしょに闘った」と医学的見地から闘病生活を支えた。死去する前日も病室で話をしたそうだ。遺影に向かって「君のことを治すことができなくて本当にごめんなさい」と無念の表情で語り掛けた。

 サッカー元日本代表監督の岡田武史氏(60)は「かっこええし、ラグビーうまいし、頭も切れる。天は二物を与えたと思った。ただただ、さびしいわ」と関西弁で思い出を語り続けた。全国高校ラグビー大会を制した京都・伏見工高時代の恩師、山口良治氏は「君の遺影を前に弔辞を述べるなんて、夢にも思わなかった」と涙で声をつまらせた。

 京都府出身の平尾さんは同志社大で全国大学選手権3連覇に貢献し、神戸製鋼で日本選手権7連覇を達成。日本代表でもW杯に3度出場し、監督も務めた。

(院長註:山中先生と平尾さんが仲良かったというのは意外でした。山中先生は神戸大医学部でラグビーをやられていましたものね。山中先生の弔辞全文はこちら。平尾さんは院長のだいぶ年下ですが、憧れの存在でした。秩父宮ラグビー場に日本代表のマウスピースを作りに行った時に先輩が「平尾のサインがもらいたい。」と言っていたのを思い出します。

サッカー岡田元監督が今何をやっているのか調べたら、今FC今治のオーナーをして、日本サッカー協会の副会長らしいです。

山口先生はテレビドラマ「スクールウォーズ」のモデルです。ドラマでは山下真司氏が演じました。)

プレミアムボスCM熊本城

サントリーの缶コーヒー「プレミアムボス」の新CMに熊本城が取り上げられて、熊本では話題になっています。タモリさんとトミー・リー・ジョーンズさんが熊本に来てくれたようです。タモリさんはブラタモリの撮影で地震の直前に熊本城に来られています。全国放映だそうで、熊本地震が風化していないと熊本県民はほっとしています。サントリーさんは熊本工場の被害が大きかったので自ら被災者ですものね。2036年復旧予定って、本当にそれまでいきていられるのかね?

ラグビーのトップリーグと日本選手権で2冠を達成したサントリーサンゴリアスの選手たちが平成29年2月9日(木)サントリービール工場のある嘉島町の小学校に来てくれたそうです。10日(金)には益城町、御船町など小学校3校に行く予定だそうです。サントリーサンゴリアスの流大主将は熊本の荒尾高校の卒業です。帝京大学主将を経て、まだ社会人2年目で主将になったそうです。

女性にとって男性アイドルはデトックスだ

週刊文春2017.1.5・12P174「夢の国」のノスタルジア ジャニーズが青春だった!

林真理子 宮木あや子(「校閲ガール」原作)

林 宮木さん、小説の中で、男性のファンはアイドルを性的に見るけど、女性にとって男性アイドルはデトックス(院長註:解毒)だって書いてらっしゃったでしょう。名言だと思いましたよ。

宮木 ありがとうございます。あれは最初に夫が言ったた言葉なんです。『ザ少年倶楽部』っていうJr.の番組があって、いつも夫とふたりで見てたんですが、(客席の)前列の女の子たちがものすごくいい顔してるんですよ。コンサートDVDでもトロッコの周回のとき、観客も映るじゃないですか。その観客の顔を見た夫が、「本当にみんないい笑顔してる」って。この子たち、今日はめいっぱいデトックスできてすごく楽しい気持ちで帰るんだろうねって。

林 ああ、いい話ですね。

一流のアスリートの言葉は格言

2016.12.30週刊朝日P53マリコのゲストコレクション 林真理子 三宅宏実(ウエイトリフティング選手)

林 お父さまも現役時代は体を酷使されて、いろいろ大変だったんですよね。

三宅 父は首から下20力所ぐらい手術をしていて、後遺症が残っています。自分が苦労した分、私には近道をさせてくれました。父がいなかったら4回もオリンピックに出ることはできなかったと思いますが、30歳で迎えた今回のオリンピックは、4年前にロンドンで銀メダルをとったときとはまったく違いました。いままでできていたことができなくなることが、この4年間ものすごく多かったんです。心は「もっとできる、こんなもんじゃない」と思っていても、体は「もう無理だよ、限界だよ」と言っている。そこで無理をするとオーバーワークになって、ケガや痛みにつながるんです。心と体の会話って難しいです。

林 北京五輪(2008年)で6位に終わったときは、引退を考えたんですよね。でもご家族で温泉旅行に行ってマッサージしていたら、筋肉が喜んでいない、「こんなもんじゃない」って言っているような気がして、それで練習を再開したという記事を読みましたよ。「筋肉が喜んでない」ってすごい表現ですね。

三宅 いいときの感覚って筋肉も覚えてるんですね。挙げているときってスローモーションに感じる瞬間があるんです。「これだ!」と思ったのが16年間で2、3回ありました。

林 へー。

三宅 その感覚がふつうになるように、同じ練習を繰り返して染み込ませるみたいな感じです。量より質の練習に変えていきながら、体力の限界への挑戦をしてみたい、どこまでやれるか見てみたいなという気持ちもあります。

林 三宅さん格言集が好きだってどこかに書いてあったけど、ご自身の言葉が十分に格言ですね。一流のアスリートの言葉ってそうなのかもしれませんが。

三宅 そんな、まだまだです。私は銀と銅はとりましたが、金メダルはなかなかとれない。金メダリストの方にお会いすると、元気でタフ、一生懸命で素直で負けず嫌い、心配り、気配り、思いやりにあふれている方が多いんです。私もそういう方たちに学びながら、自分にないものを吸収したいと思っているんです。一流の人になりたい、どうやったらなれるんだろうと、日々模索中です。自分で自分の喜ばせ方がわかっていない部分もあって、それがわかったらストレスからも早く抜け出せるのかなと思います。

林 私たちはお酒飲んだりおいしいもの食べたりして解消しちゃいますが、アスリートの方はそうはいきませんよね。

三宅 楽しいこともおいしいものも大好きですが、根本的な解決にはならないので、日々考え中です。

林 今後のこととかも?

三宅 はい。でも、たぶんやるべきことはシンプルで、まずは「ウェイトリフティングが好き」という気持ちを大切にすること。痛めてしまった腰をしっかり治すこと。それから、勉強もしたいと思っています。

林 それはどういう勉強ですか。

三宅 大学院に行って視野を広げたり、語学もちゃんと勉強したい。いまの自分を乗り越えて新しい知識や技術を取り入れないと、4年後はないと思うんです。来年はそういう準備期間にして、18年からちゃんと試合に出られるようにして、20年に頂点を迎えられればと、頭の中でぼんやりと考えています。

健全なる楽観主義

週刊朝日2016.12.23P114マリコのゲストセレクション 林真理子 堺屋太一(作家・経済評論家)

林 (前略)大阪は先生のふるさとですから、「大阪府知事になってくれ」とか、何百回と言われたんじゃないですか。

堺屋 いろいろ言われましたけど、もうトシですからね。これからはそういう現役の仕事じゃなくて、世の中に何か残す仕事をしたいと思ってます。楽しい日本を作りたいですね。私は日本は近代になってから2度生まれ変わったと思っているんです。第一は明治の日本で、富国強兵・殖産興業で「強い日本」を目指した。それが第2次世界大戦で敗戦。戦後は高度経済成長で「豊かな日本」を目指した。これからはじまる第三の日本は、「楽しい日本」にしたいですね。

林 楽しい日本。いいですね。カリカリしててもしょうがないですから。

堺屋 日本は世界一安全で安心な国。事故も犯罪も少ないし、時間にも正確です。ところが、おもしろみがないんですよ。日本に来る外国人が今年は2千万人を超えたといいますが。「爆買い」の話題ばかりで、日本で楽しんで遊んだという話題は少ない。それから、日本人はみんなものすごく心配性ですね。「将来、医療費が高くなる」とか。

林 「年金は破綻するぞ」とか。

堺屋 でも考えてみてください。財務省は「消費税を上げなかったら円が暴落する」と言ってましたが。円高になってますからね。あまり心配性にならないほうがいいんです。私は「健全なる楽観主義」を主張しています。

少子化の原因

週刊朝日2016.12.23P111マリコのゲストセレクション 林真理子 堺屋太一(作家・経済評論家)

林 団塊ジュニアってほんとに結婚しませんが、その前に職がないんですよ。前に先生とお話ししたとき、 「団塊世代は子どもの育て方を間違えたんじゃないか」と申し上げましたが、学校を出ても就職できない人たちがゴロゴロいて……。

堺屋 職がないというより、正社員や正職員になりたい人ばかりなんです。日本は起業する人の割合が世界最低、それも定年退職後に始める人が多くて、若者は少ない。大企業に入って定年まで勤めることを考えるから、「職がない」となるんです。

林 たしかに若い人に就職のことを聞くと、大企業のことばかり言いますからね。いまの時代、そんなの幻想だと思いますが。先生は少子化問題については、「女性に母性愛がなくなっているんじゃないか」ともおっしゃってますね。

堺屋 少子化の原因は、24歳以下の女性が子どもを産まないことにあります。24歳以下で子どもを産む女性が、アメリカでは千人中112・5人いるのに対し、日本では35・7人。若い人にもっと子どもを産んでもらいたいし、産める環境をつくらなければいけない。

林 ところが、たとえば成人式で市長が「できるだけ早く子どもを産んで」なんて言おうものなら、もう袋だたきですよ。女性は「お上にそんなこと言われたくない」って思うわけです。

堺屋 戦時中に「産めよ殖やせよ」と言われた反動が、いまも続いてるんでしょうかね。ただ現実問題、若い人が子どもを産まないのは大変な社会的損失です。

林 私の時代までは、大学3年ぐらいでお見合いして、在学中や卒業直後に結婚するのがいいところのお嬢さんのステータスでしたけど。

堺屋 私か通産省にいたころは、東京の有名女子大の卒業アルバムが役所にドサッと届いて、「キャリアの若手官僚を紹介してほしい」と言われました。

林 まあ! それ、いまも届くんですか。

堺屋 いまはありません。バブルのころあたりになくなったんじゃないですかね。官僚もそれほどエリートでなくなってきましたから。

大分のうまいもの

院長は以前から「大分はおいしい」と主張してきました。何がおいしいのか。まず臼杵のふぐ。ふぐは大分市内にも名店がいろいろあるようです。関アジ、関サバ、城下ガレイ。名物がいろいろあります。小林亜星さんが以前婦人雑誌で今まで食べてきた中でおいしかった寿司屋さんの3軒のうちの一つに大分空港のお寿司屋さんを挙げていたので、行ってみましたが、それほどではなかった気がしました。キャノンの御手洗さんは大分出身で時々利用されるようです。

海鮮だけでなくとり天も有名ですし、中津あたりの唐揚げも有名です。安心院のすっぽんも有名です。豊後牛もあります。お互いが刺激しあってどんどんおいしくなっている気がします。

大分には湯布院玉の湯や亀の井別荘、山荘無量塔などかなり高級な旅館がありますので、そのあたりがレベルを引き上げている部分もあるのかもしれないです。特に玉の湯さんでは洋朝食で辰巳芳子さん指導の「いのちを支えるスープ」が飲めるそうです。

米国より日本を目指す中国人が増えている

2016.12.16P126「爆留学」の到来 中国人留学生だらけになった東大 エリートの指定席が奪われる!?

「(前略)日本への留学は違う。東大や京大には一流の教授がいて面倒見もいい。それに日本人はアメリカ人のような人種差別はしません。中国人留学生もアメリカのようにウヨウヨいるわけではないので、日本ではまだ希少価値だし、足の引っ張り合いも少ない。日本は社会が穏やかで生活しやすい。つまり、ランキングだけでなく総合的に判断して、日本に留学したいと思う中国人は多いのです」
競争と人種差別アメリカを敬遠
 西海岸の一流大学大学院で学ぶ男性、王剣翔(25歳)も同意する。 「アメリカには金持ち中国人を当て込んだ専用の修士コースがあります。でも、そんな中国人向けコースを修了したって恥ずかしいだけ。それよりも距離的に近く、学費もアメリカの7分の1〜8分の1と安く、夜道も安心、食品も安全。同じ漢字圏で文化的にも近い日本のほうが断然いいという意見が多いです。私の場合は数学専攻で、アメリカに私の専門分野に合った教授がいたのでアメリカを選んだのですが、私たち90后(90年代生まれ)の中国人は日本のアニメに親しんで育ち、日本に憧れの気持ちを持ってきました。だから、経済的に豊かになった今、日本に留学したいと願う若者が増えたのは、ある意味で当然だと思います」

 日本人としては面映ゆいような、うれしい意見だが、80年代から90年ごろまでの勢いがある日本ならばともかく、財政赤字が深刻なうえ、東日本大震災からの復興も遅々として進まない「元気のない日本」にあえてなぜ?という気もする。

 その点について、上海在住のビジネスマン、孫一棟 (46歳)は日本を目指す中国人の心理をこう説明してくれた。

「多くの中国人から見て、日本はすぐ隣にある最もよいお手本のような国。日本政府のことをほめているのではなく、日本の一般市民についてです。東日本大震災のときのマナーを見て多くの中国人は感動の涙を流しました。いくらアメリカが一番といっても、同じ東洋の日本は最も注目に値する存在。戦後も内乱などで不安定な時代が長かった中国と比べ、日本は驚異的な経済成長を遂げた。日本はなぜこんなにすばらしい国になったのか、その理由を知りたい、と思う中国人は年代を問わず今も非常に多いんです」

 低迷しているとはいえ、中国人が”先進国日本”から学ぶべきものはまだたくさんあるという。

「総合的に見て、中国は日本より30年は遅れているという声も多く聞きます。海外に行きやすくなった今だからこそ、中国人は直接日本で学びたい、自分の目で確かめたい、と思って押し寄せているのです。それは決して日本から何かを奪い去ろうという意味ではなく、勉強させてもらいたい、という気持ちです。日本人が想像するよりもずっと、中国人の日本に対する評価は高いんですよ」

 にわかには信じがたい意見だが、私は複数の中国人からこのような話を聞いた。

 こうした”日本推し”の動きは15年の流行語大賞にも輝いた「爆買い」現象に顕著に表れている。日本人にとってはとくにすばらしいというわけではない温水洗浄便座や高級炊飯器などを彼らがありがたがって大量に買って帰ったことは、逆に「あれだけ経済発展している中国でも、まだ手に入らないものがあるのか?」と日本人を驚かせたし、彼らが素直に日本旅行を楽しみ、日本のよさを発見してくれている姿は日本人にも好意的に受け止められた。

 さらに、ここ数年SNSが発達したおかげで、ゆがんだマスメディアの報道ではなく、日本に行ったことのある人からの生の情報が手に入りやすくなり、中国人の日本に対するイメージが様変わりした。今の日本が中国人に誤解なく伝わるようになった、ということも「爆留学」を加速させた一因にある。 その波はさらに一歩進んで「爆就職」にも広がっている。日本の大学や大学院で学んだあと、すぐに中国に戻るのはもったいない、日本で就職するほうが自分のキャリア形成やステップアップのためになる、と考える中国人が増えているからだ。
日本企業に残る学生の「爆就職」
 法務省の在留外国人統計によると、15年末の時点で在日中国人は約66万6千人。在留資格別に見ると、ホワイトカラーが増えており、「技術・人文知識・国際業務」ビザの取得者は約6万人に上っている。「医療」「教育」「教授」などのビザ取得者も増えている。

 中国人留学生といえば居酒屋かコンビニでアルバイト、就職も中国関係の中小企業のみ、という時代はとっくに終わり、ありとあらゆる業界・業種に活躍の場が広がってきている。大手銀行、大手商社、大手メーカーなどでは外国人を積極的に採用するグローバル採用をしているが、外国人採用の中で最も多いのは、やはり中国人なのだ。

 都内の大学院で学び、大手法律事務所に就職した劉海(仮名・29歳)は、中国に投資する日本企業の知的財産権問題などを担当。企業担当者から信頼されて充実の日々を送っている。

「あと数年、日本の事務所で経験を積み、人脈を構築したあとは、中国で弁護士として活躍したい」と目を輝かせる。

 大手メーカーの研究所に就職した謝健(31歳)は、当初、大学院を修了したら中国に帰ろうと思っていたが、先輩から日本のメーカーの技術について魅力的な話を聞き、日本での就職を決意した。中国の企業ではまだ学べない最先端の技術を日本で習得したい、と考え、残業して研究に打ち込んでいるという。

 中国人が日本企業に数多く就職している、と聞くと「中国人は日本を乗っ取ろうとしているのでは?スパイではないか?」と疑う日本人がいるかもしれないが、それは杞憂だ。彼らはただ中国とは比べ物にならないくらい居心地のいい日本に住み、快適な生活をし、日本でしか学べない勉強や仕事をしたいと思っているだけなのだから……。      (文中敬称略)

(院長註:熊本地震を経験しましたが、嫌な思いをした覚えがないです。怒号の一つも聞いたことがないです。行列の割り込みとか見たこともないです。みんな淡々と順番を待っていました。熊本大地震Fにも書いた様にむしろいろんな所から手助けの手が伸びてくる感じでした。久しぶりに開いたスーパーでおばさん同士が「負けんよ。頑張ろうね。」と励ましあっているのが聞こえてきて、涙が出そうになりました。)

なるべくいいことに目を向ける

週刊朝日2016.12.9P112マリコのゲストコレクション 林真理子 加藤綾子(アナウンサー)

林 『あさえがお』という加藤さんのエッセイを読ませていただきましたが、マザー・テレサの言葉が紹介されていて、私思わず夫や娘に読んで聞かせましたよ。思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい……。

加藤 それが行動につながって、習慣につながって、性格になって……。

林 性格が運命になる。ネットで汚い言葉を吐き続けてる人たちに、この言葉を贈ってやりたいなと思いましたよ(笑)。あと、吉田松陰の名言も載っていて、加藤さんが松陰に詳しいとは意外でした。

加藤 まったく詳しくないんですけど、疲れたときに名言集とかを読むのが好きで。

林 自分に言い聞かせることで、精神を安定させたり?

加膝 常に周りに人がいて、自分の時間が持てなかったんですよね。自分を見つめ直す時間がないとつらくなるので、なるべくいいことに目を向けるようにしてました。

何かを作りたい

週刊文春2016.11.24P57伊集院静の「悩むが花」

Q小説を読んだり、映画を観るたび感動し、「自分も将来、何かを生み出す人になりたい」と強く思います。でも、いざ小説を書こうとしても一行も書けません。すでに世に存在する名作の数々、若くから活躍しているクリエーターたちと、自分との落差に絶望し、胸が張り裂けそうになります。何かを作りたいという夢は、諦めたほうがよいでしょうか。(18歳・男・大学生)

A十八歳の大学生か。これまで読んだ小説、観た映画に感動したのかね。それは良かったね。

 それで自分も何か創造する仕事をしたいと思ってるのか。イイじゃないか。

 何?それで、いざ小説を書こうとしたら、一行も書けなかった?
 そりゃ当たり前だ。すぐに小説が書けた人なんか、この世に一人もいやしないよ。

 小説を書くために、世の中のいろんな小説を読むことは大切だが、いざ自分が書く時は、名作のことなど忘れなきゃ。ましてや書いてる最中に名作を読んだら、そりゃ誰でも書けなくなるよ。

 小説以外を目指す時でも、すでに成功している若い人の作品を観たり、その人が口にしていることなど耳にしちゃダメだ。

 小説のことで言えば、才能なんてのはほんの少しでいいんだ。ともかく毎日書く。書きはじめたら最後まで書き切る。自分の力に失望したら? それでも書き続ける。それができたら、ひとつのカタチができるもんなんだよ。

Pray for 糸魚川

先日ワイドショーを見ていたら、成人式で全壊した自宅からボランティアによって掘り出された晴れ着を着てきていた南阿蘇の女の子が映っていました。

別のワイドショーでは糸魚川の焼け跡から思い出の品を掘り出すボランティアの姿が映っていました。どちらも悲惨だけど火事になったら何もかもなくなってしまいますもんね。年末のあの時期に焼け出された150軒もの人のことを考えると心が痛みます。

日本中からありがとうございます

連休で暇にまかせて熊本地震を応援する動画を探していたらこんなにも多くあることに気がつきました。ガンバレ!熊本フレフレ熊本東海テレビVer.熊本地震復興応援1熊本地震復興応援2熊本復興スマイルムービー今治からもカラオケでもサロン別でも逃げ恥も、まだ他にも一杯あるようです。日本中から応援ありがとうございます。涙が出るほど感動しました。

脳は不正に慣れていく

週刊朝日2016.12.2P44パテカトルの万能薬 池谷裕二(脳研究者)

「ワルの原理」

 我が子が本を盗んできました。母親はその行為を叱らなかったところ、その子は手に負えない盗人に成長し、とうとう捕まり死刑になりましたーーー。イソップ寓話集の「盗みをする子どもと母親」という話です。

 この話が物語るように、悪行はしばしばエスカレー卜します。この脳内原理が先月の「ネイチャー神経科学」誌に発表されました。ロンドン大学のシャロット博士らの研究です。

 博士らは巧妙な実験を行っています。コインが入った瓶の写真を見て、いくら入っているかを言い当てるゲームです。コインはすべて1ペニー硬貨で、総額は15ポンドから35ポンドの間に設定されています。

 解答は2人1組で行います。答える権利があるのは一人だけです。解答者には低解像度の写真が1秒間しか提示されないため、どれほどコインが入っているかは明確にはわかりません。もう一人には、コインの量がよくわかるように高解像度の写真をじっくりと提示します。この人はこの写真を見た上で、解答権利者に「どれほど入っていそうか」をアドバイスするのです。解答者はそのアドバイスと自分の見た印象を参考にしながら金額を見積もります。解答が実際の金額に近いほど、高い賞金を獲得できるルールになっています。

 シャロット博士らはさらにひと工夫を凝らします。アドバイスする人を呼び出して、こっそり次のように伝えるのです。「解答者は正答額に近いほど獲得金が増えますが、あなたには解答額と正答額との差額が与えられます。ただし解答者はこのことを知りません」

 この条件になると、高い金額を解答者に伝えたほうが(つまり虚偽のアドバイスをしたほうが)自分の獲得金が増えます。実験を行ったところ、平均して4ポンドほど高い金額を伝えることがわかりました。自己の利益のために嘘をつくのです。この時の脳の活動を測定すると、扁桃体という部位が活性化していました。

 面白いのはここからです。ゲームを繰り返すと、不正額が次第に増えていきます。60回繰り返すと虚偽金額は8ポンドにも膨れあがりました。まさに悪のエスカレートです。この間、扁桃体の活動は徐々に減じます。

 扁桃体は不安や嫌悪に反応する脳部位です。つまりこのデータは「不正に対する罪悪感が減っていく」ことを意味しています。

 もう少し説明を加えましょう。ヒトは悪事を働くとドキドキします。この身体反応が不安感を増幅します。現に心拍数を下げる薬を投与すると、嘘やカンニングが倍増するのです。

 扁桃体は心拍数や血圧に影響を与えることが知られています。つまり、扁桃体の活動が減り、弱くなるということは、脳が身体の変化を通じて「自分が不正を働いている」という事実に気づく機会を失っていくことを意味しています。結果として脳は不正に慣れていくのです。これをシャロット博士らは「不正への順応」と呼んでいます。

 さて、冒頭のイソップ寓話には続きがあります。刑の執行の日、面会を許された子は涙ながらに母に訴えます。「最初に本を盗んだ時に叱ってくれていたら、こんなことにならずにすんだのに」。なんとも切ない話です。

 最後に『三国志』から引用します。「悪の小なるを以て之を為すこと勿かれ (わずかな悪事であっても行ってはならない)」。死期を悟った劉備の言葉だけに重みがあります。脳が悪事に慣れやすいことを劉備はよく知っていたのです。

(院長註:これを読むとサイコパス恥の合理化「私は今までウソをついたことがないんです」の原理がよくわかります。あまりにもウソをつきすぎるとウソをつくことに何の動揺もなくなり、平然とウソをつくようになるのです。)

良い年をお迎え下さい

今年は熊本地震が起きたので院長個人にとっても熊本にとっても忘れられない年になりました。著名な方もそうでない方も数多く熊本に来ていただき、熊本のためにご尽力いただきました。全国中からの支援応援をものすごく感じております。感謝します。ありがとうございます。TVや雑誌でも数多く取り上げていただき、励ましになりました。

12月24日に俵山トンネルが再開通し、裏の家の瓦が葺き終わり、これで見渡す限りブルーシートはなくなったと思ったら、道路と駐車場をはさんで一番近い建物の解体が始まっています。23〜25日まで世間的には3連休でしたが、休みは関係なく工事の音が聞こえていました。

今年もお世話になりありがとうございました。

皆様良いお年をお迎え下さい。

シューイチ 熊本城復興特集

2016年12月11日(日)の日本テレビ「シューイチ」で熊本城の復興の特集が放送されました。AM7:56からAM8:24まで30分ほどです。ホラン千秋さんが許可を得て、立ち入り禁止区域まで取材してくれていました。復興予定は期間が20年、予算は634億円だということです。熊本地震を風化させないためにも全国放送で取り上げてくれるのは非常にありがたいことです。

「オドぜひ」も熊本特集でした。笑いました。KKT(熊本県民テレビ)頑張ってます。(オドぜひとは「オードリーさん、ぜひ会って欲しい人がいるんです!」という中京テレビのローカル番組で熊本では12月から放映が始まりました。日曜の午後3時からです。毎週見ている「そこまで言って委員会」の後なのでそのまま見てしまいます。)

俵山トンネル12月24日開通だそうです。

平成28年12月13日(火)の夕刊1面によると12月24日午前11時暫定開通だそうです。

12月20日は開通予定となっていましたものね。

その記事の下にはサントリー8ヵ月ぶりビール出荷の記事も。ただし、たる詰めだそうです。缶は年明けの出荷だそうです。

南阿蘇カントリークラブのホームページを見に行って見つけました。一度崩落したと聞いたので、あまり通りたくはありませんが、南阿蘇へは行きやすくなります。我々通行車は通り抜ける何分間かを我慢するだけでいいですが、余震がある中、一日中トンネル内にいた工事の人達は怖くなかったのか心配になります。南阿蘇カントリークラブは平日食事込みで5480円です。夏場ならまだしも、寒いこの時期にわざわざ温度の低い山に行く人が少ないためだと思われます。メンバーでなくてもこの値段ですから、熊本ではハンディキャップを欲しい人でもなければ会員権は必要ありません。冬場は平地で、夏場は山でと転々としていました。南阿蘇カントリークラブは「肉のオオツカ」の経営なので昼食バイキングは肉類が充実していました。

熊本のゴルフ場

昨日(平成28年12月4日)は雨の日曜日。ここのところ日曜日にゆめタウン光の森に行こうとして駐車場が見つからず2回ほど引き返してきましたので、11月30日に3Fまでオープンしたサンピアンに行ってきました。3Fの明林堂書店もきれいになっていました。1Fの食品売り場のお客さんも多く、なんとなくうれしそうでした。帰りにゆめマート楠店の横を通ったら平成29年リニューアルオープンの看板がありました。2,3日前から俵山トンネルの回復が気になって、昔よく行っていた阿蘇グリーンヒルカントリークラブ営業できているのか調べてみたら、休業中でした。手前で橋の継ぎ目で段差ができ、奥で俵山トンネルが不通です。他のゴルフ場はどうかと思って調べてみるとどうも湯の谷阿蘇東急もオープンできていないようです。かえって益城カントリークラブは早くオープンできたようです。院長もゴルフ行かなくなって何年も経ちますが、どうも気になります。復興もまだまだですね。阿蘇東急の被害状況を示す写真のページがすごい。昔よく行っていた益城カントリークラブは1000円の食事券付きで木曜日に行けば6800円ですから、値段にも注目して下さい。

もうすぐ熊本地震から7か月半 熊本の現状は

11月26日(土)熊本日日新聞1面は益城町の給食センターが使えず、小中学校では現在、業者の弁当による給食になっているそうです。衛生上の問題で保冷してあるので冷たいそうです。熊本市の協力で、温かい給食が来年4月から供給できるようになるそうです。

スーパーのサンリブ健軍・子飼新店舗着工だそうです。健軍は来年9月、子飼は来年6月オープン予定だそうです。営業再開までのスピードを重視して、規模を縮小して、食料品を中心に展開するそうです。サンリブ清水はまだ未定だそうです。

ゆめタウンサンピアンは30日に全館営業するそうです。ゆめタウンはませんは30日に2階を再開だそうです。3階と映画館は来春の再開予定だそうです。

体操の内村航平、白井健三選手ら体操、新体操、トランポリンの日本代表19人が25日に益城町の小学校に来てくれたそうです。

バスケットボールの熊本ヴォルターズ12連勝でBリーグ2部西地区で15勝2敗でトップにいます。2位の広島は12勝4敗です。この調子で頑張ってください。(11月28日現在16勝2敗です。2位広島は14勝4敗です。)

ワイドナショー「熊本ヴォルターズ特集」まとめ

「you tube」でワイドナショーの熊本ヴォルターズ特集をまとめて見たら面白かったのでまとめてみました。一番被害の大きかった益城町の様子とかよくわかると思います。どの回も最後の20分ぐらいです。

2016年7月31日8月21日8月28日9月4日9月11日9月18日10月2日

ふと川渕チェアマン何歳だろうか?と思い、調べてみました。79歳でした。若っ!面白っ!こんな風に年取りたいと思いました。

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