なるべく抜かず、削らず

 最近はミニマム・インターベンション(MI)という言葉が特別に使われていますが、昔から言われていることと内容は同じです。侵襲はなるべく少ない方がいいでしょう。
最小範囲の切削。しかしこれもあまりこだわりすぎると、治療をどんどん複雑にしてしまうだけなので、なるべくシンプルなデザインを心がけています。
判断に迷うのが、部分的に金属が詰まっていて、それに接する歯質が欠けてきた時です。最小範囲の切削と考えれば欠けた所をきれいにしてその部分だけを詰めるだけですが、中がどうなっているか本当のところはわかりません。
金属と詰めるプラスチックは強く着きにくく、他の部分に亀裂が入っていてもわかりにくく、再度欠けてくる可能性が高まります。しかしこの場合ほとんどの場合で麻酔が必要なく短時間で処置できます。
金属をはずす場合は中の具合を直接見て判断できますし、中で欠けていた場合もはっきりする場合が多いですが、ほぼ確実に麻酔が必要となること。時には下顎の大臼歯等麻酔が効きにくい場合は、より中枢に麻酔する下顎孔伝達麻酔が必要になる場合があります。この場合麻酔がきれるまで3〜4時間かかります。治療時間も仮歯が必要となれば1時間ぐらいかかる場合もあります。削る範囲も大きくなります。
全部金属でかぶせるようにすれば一番強いでしょうが切削範囲も大きくなります。要するに確実性を求めれば侵襲も多く多くなるということです。
咬合力の強さや歯質の強さや通院の自由度を考慮してケースバイケースで判断すべきでしょう。

自分は噛む力が強いから、歯の質がもろいから、簡単には治療に通えない所に行くから、過去に欠けたからまた欠けそうだから、という場合には時間の余裕のある時に、多めに時間をとって多めに削って直しておくことも可能です。お申し出下さい。

我々のオピニオン・リーダーである田上東京医科歯科大学歯学部長は「症状(痛みとかしみるとか)がなければ、欠けた所を詰めるだけで充分ではないか。中が悪ければ詰め物がはずれてくるはずだ。」とおっしゃっています。

 

  

 

 

▲このページのトップに戻る