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池上彰×山中伸弥

週刊文春2021.5.6・13P49池上彰のそこからですか!?

池上彰×山中伸弥「iPS研究は危機的状況にある!」このままでは資金難で研究がストップしかねない…

池上 なぜ日本では、欧米に比べて感染者が少ないのか。山中先生は「ファクターX」という言葉を使われて、調べる必要があるとおっしゃいました。ファクターXは見つかりましたか。

山中 まだはっきりしていません。ファクターXが複数あるのは間違いなくて、まず言えるのはマスクです。日本には元々マスクをする習慣がありましたし、昨年の二月や三月は店頭からなくなってしまうくらい、我先にマスクを買い求めましたよね。WHOやアメリカのCDC(疾病予防管理センター)は、あの頃まだマスクを推奨していなかったんです。

池上 そうでしたね。

山中 コンプライアンスというか、社会規範に寛容か厳格かの違いも大きいと言われます。国ごとの違いを、真面目に研究した論文があるんです。それによると日本はやはり厳格なグループに入っていて、欧米の多くの国は寛容で、厳格さとコロナによる死者数の間には、逆相関の関係があります。

 ただし社会規範に厳格な国は、イノベーションや豊かな芸術を生むのが苦手だという指摘もあります。

池上 なるほど(笑)。「社会規範に厳格」と聞けばニュートラルな印象ですが、「自粛警察」や世間の目が怖くて萎縮してしまうのも日本人です。アメリカでは、いまもマスクをしない人が結構いますよね。

山中 います。主義主張として、しないんです。アメリカでは、ワクチンを打った人同士はマスクなしで会話してもいいと積極的に言っていますが、あれはワクチン接種へのインセンティブじゃないかなと感じます。

池上 日本だと、マスクしていなかったら何を言われるかわからない空気がありますからね。ルース・ベネディクトは『菊と刀』の中で、「欧米は罪の文化。日本は恥の文化だ」と分析していました。

山中 マイナス的な表現で「同調圧力」と言っていますが、飛沫感染が主な原因だと考えると、その国民性が今回はプラスに働いていると思います。

 科学的に考えたら、周りに誰もいない屋外でマスクをする必要はありません。しかし屋外でも、人混みに入ったり、知り合いに偶然会って話したり、喉が渇いてコンビニに入ったりすることもあります。だから僕は外をはしるときもマスクをして、誰もいない時はズラしています。

池上 「あの山中教授が、マスクなしでコンビニに入ってきた!」なんて言われかねない。

山中 そうなんです。

池上 「週刊文春」に載ったら大変ですよ(笑)。

 ウィルスは靴の底にもつくそうですが、欧米は家の中で靴を履いたままなのに対して、日本は脱ぎます。握手やハグやチークキスの習慣もありません。やはりファクターXは単一ではなく、いろいろな要素が相まっているんでしょうね。

山中 感染者の追跡調査も、やり方が違います。欧米では、感染しているとわかった人が誰に感染させた可能性があるか、という前向きの調査が中心です。日本の場合はそれもするんですが、その人がどこで誰から感染したかもさかのぼって調べます。大変な労力だと思いますけど、それによってクラスターの場所もわかる。こういう後ろ向きの追跡調査が感染者が少なかった時期にはかなり有効だったと思います。

池上 ワクチンの接種が終わっても、当分はこのウィルスと一緒に暮らさなければいけません。どんな世の中になるとお考えですか。

山中 本当はウィルスの専門家にご意見を聞く必要があるので、ここから先は予想です。ワクチンを打った人も一定の感染予防は続けるべきだと思いますが、しばらくの間はマスクを外す人が増えても、感染がそれなりに落ち着くかもしれません。

 ただし、現在のワクチンで作られる免疫を乗り越えてしまう変異株が生まれたときは、油断していると一気に広がる危険があります。すると、その変異株に有効なワクチンを、再度接種する必要が出てきます。

池上 ウィルスとのいたちごっこになる可能性があるわけですね。

山中 変異株が現れなくても、年一回くらい追加検査が必要かもしれません。希望の星は治療薬です。世界各国で開発が続いています。治療薬ができれば、インフルエンザと同じ感覚の生活に戻れるかもしれません。ワクチンも、この速度でこれほど有効なものができるとは、一年前どころか半年前にもほとんどの人は予想できていませんでしたから、素晴らしいことです。日本は供給が遅れていますから、早く接種が進んでほしいというのが願いです。

池上 山中先生は早くにノーベル医学・生理学賞を受賞なさいましたが、普通は研究から長い年月を経たあとで受賞されるものです。しかしコロナのワクチンがこれだけ早く実用化されたので、ハンガリー出身のカタリン・カリコ博士がすぐにでも受賞するのではないか、と噂されていますね。

 カリコ博士が開発したのは、メッセンジャーRNA(mRNA)の技術です。この技術を応用して、ウィルスの表面にあるスパイクたんぱく質の遺伝情報だけをコピーして投与し、細胞内にスパイクたんぱく質を作らせることで抗体を作るのがmRNAワクチン。今回のコロナのワクチンが世界初の実用化です。ファイザーとドイツのビオンテックが共同開発したワクチンと、モデルナのワクチンは、この方法で作られています。

山中 ノーベル賞に値するお仕事ですし、ほかの医学賞もたくさん受賞されるでしょう。彼女はmRNAの技術に四十年も前から取り組んできたんですが、なかなか注目を浴びず研究費ももらえずに、非常に苦労された時期がありました。

 その後、彼女のmRNA技術の応用でiPS細胞を作成して注目を浴びたカナダの幹細胞生物学者がデリック・ロッシさんです。彼がこのmRNAの技術はiPS細胞だけではもったいない、ほかの医学にも絶対に役立つと考えて十一年前に創業した会社がモデルナです。

池上 要するにiPS細胞があったからこそ、カリコ博士たちが二○○五年に発表したmRNAの技術が再び注目されて、ワクチン開発に結び付いたわけですか。

山中 そうです。先ほどお話しした論文の「日本人はイノベーションが苦手」という面から言うと、僕たちはiPS細胞に全力投球していますが、一方でiPS細胞をステップにした研究者が、mRNAのワクチンを作った。この違いで日本のワクチン開発は欧米に圧倒的に水を開けられてしまいました。海外の研究者の新しい可能性を粘り強く追及する姿勢はたくましい。見習わなければいけません。

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