〒861-8003 熊本市北区楠4-3-18

受付時間
月・金 9:00~13:00/15:00~19:00
火・水・土 9:00~12:30/14:00~18:00
定休日
木曜、日曜・祝祭日
096-337-0088
096-337-0088

薩摩隼人

「街道をゆく3陸奥のみち肥薩のみちほか」司馬遼太郎、朝日文庫、1978

P181

 もっとも私には、もう一枚これとは別な薩摩人についての経験がある。私にとって先生とか教官とか隊長とかいったような人たちに、奇妙なほど鹿児島出身の人達が多かった。私にモンゴル語を教えてくださった先生もそうだし、軍隊に入って初年兵という惨憺たる境遇の中で初年兵教官としてわれわれを教えてくれた人もそうであった。また見習士官で赴任したときの最初の中隊長もそうで、この人は目を見はるほどに薩摩隼人らしい人だった。やや長じて、べつにそれまで文学青年でもなんでもなかった私ににわかに小説を書く勇気をあたえてくださった人ーーー海音寺潮五郎氏だがーーーもそうである。私にとっていつも自分の履歴のまがり角に薩摩人が立っているというぐあいであった。これらのひとびとはひとに対するときはかならず微笑をするという共通の表情をもっている。それも唇を閉じたままくちの両はしにすこし微笑を溜めるという独特のもので、他の地方のひとにはこういう微笑法はない。
 むかしの薩摩では、
「三年に片頬(かたふ)」
 といわれた。武士はげらげら笑ってはいけない。三年に一度ぐらい、それも片頬だけで笑え、というものだが、歯をみせて笑わないにせよ、薩摩人はひとに接するときにはたえず微笑をしていたように見える。西郷という人もそうであったらしい。元来、薩摩の士族言葉というのはじつに優美なもので、音韻的にも母音が多くてやわらかであり、抑揚も音楽的で、ひとに対する優しさのみを表現しようとして出来あがったものではないかとさえ思えるほどのものである。歴史的薩摩人というのは敵人に対して異常にやさしかったということはすでに触れたが、全体に心優しさというものが薩摩の気風の特徴であったかとおもえる。私のまがり角にいた薩摩びとたちも心優しさという点では例外なしに共通しており、とくにひとの性癖上のきずや失敗についてはじつに寛容なのである。それらのひとびとはいま五十五歳から七十余歳になられているが、薩摩隼人の伝統というのはその時期までのものであったのだろうか。

お問合せ・ご相談はこちら

受付時間
月・金 9:00~13:00/15:00~19:00
火・水・土 9:00~12:30/14:00~18:00
定休日
木曜、日曜・祝祭日

ご不明点などございましたら、お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

お電話でのお問合せはこちら

096-337-0088
対応エリア
患者さんは、熊本市内だけでなく、菊池市、菊陽町、大津町、阿蘇郡、益城町、植木町、光の森、武蔵ヶ丘、兎谷、岩倉、新地、楡木、龍田からもいらしています。

お気軽に
お問合せください

当院は予約制になっております。必ず電話または他の方法で診療時間の確認、予約の上でお出かけ下さい。

お電話でのお問合せ・ご予約

096-337-0088

<診療日・診療時間>
月・金
9:00~13:00/15:00~19:00
火・水・土
9:00~12:30/14:00~18:00
※木曜、日曜・祝祭日は除く

祭日のある週は祭日優先、木曜日も診療します。木曜日の診療時間は祭日のある曜日に合わせています。金曜日の12:00~13:00は往診に出かけている場合が多いです。

菊川歯科

住所

〒861-8003
熊本市北区楠4-3-18

診療日・診療時間

月・金
9:00~13:00/15:00~19:00
火・水・土
9:00~12:30/14:00~18:00

祭日のある週は祭日優先、木曜日も診療します。
木曜日の診療時間は祭日のある曜日に合わせています。
金曜日の12:00~13:00は往診に出かけている場合が多いです。

定休日

木曜、日曜・祝祭日

患者さんの声

患者さんからいただいたお手紙をご紹介いたします。

まゆさんからの色紙
まなみさんからの絵手紙
治療のたびに
漢詩をくださる賀数さま

来院地域

患者さんは、熊本市内だけでなく、菊池市、菊陽町、大津町、阿蘇郡、益城町、植木町、光の森、武蔵ヶ丘、兎谷、岩倉、新地、楡木、龍田からもいらしています。