ボクらの時代

「ボクらの時代 オトナのための脳授業」川島隆太、泰羅雅登、中村克樹、扶桑社、2007

P38 

川島 三人で国際学会を取り仕切りましたね。あれは二〇〇二年でした。
泰羅 そのHBM@からもう5年経つんですか。そうそう、HBMのときに思ったんやけど、川島さんって、自分が日本人だってことを結構意識してる?「外国人め!」みたいな、そういう意識って強い?
川島 いまだにそうですよ。僕、極右かもしれない(笑)。あのときの国際学会のテーマは、「日本の文化と伝統を誇示する」ということだったんです。だから、学会で必ず出てくるバッグAの代わりに風呂敷Bを作ってね。

泰羅 「仙台を、風呂敷で荷物をからげたやつでいっぱいにしよう」っていう目論見でしたね。
川島 外国人がみんな、風呂敷を持って街中を歩くという絵が楽しいと思ったんですよ。風呂敷もそうだし、技術を誇示しようと思って、ホンダのASIMOを連れてきたりしました。
泰羅 ASIMOはあの当時、借りるのにえらく費用がかかったけどあれはよかったよね。あのとき、私は祇園の舞妓さんにしようと強く主張したのに蹴られて……。
中村 ASIMOはインパクトありましたよね。
川島 やっぱりね、日本人は日本人として誇りを持って外国人と付き合わないといけないと思うんですよ。
泰羅 風呂敷の使い方のビデオもすごくよかった。伊達政宗のマークCもなかなか斬新でしたね。
中村 いや、本当、すごいですよね。冷静に考えたら、今の私の年齢のときに、もう国際学会を引っ張っていたわけですからね。
川島 日本で国際学会を開くと、日本人の参加者のほうが圧倒的に多いのが普通でしよ。でもあのときは、明らかに八割が外国人の参加者だったんですよ。異常事態だよね。
泰羅 そうそう。二千人集まって、八割が外国人ですもんね。
川島 ふつう、そういう学会っていうのは、すごく偉い先生が引退するときに仕切るものなんですよね。それを、教授になりたての僕がやっちゃった。
泰羅 あの頃、運営委員会に出ると、お偉い先生方が何かブスッとしてて。
川島 皆さん、面白くなかったんだろうな、と思うんですよ。

@HBM

Functional Mapping of the  Human  Brain(ヒト脳機能マッピング国際会議)の略称。二〇〇二年六月に仙台で開催された。

A学会で必ず出てくるバッグ
各学会ごとに、スポンサーがついてオリジナルの鞄を作る慣習(?)がある。抄録やノートなどを持ち歩きやすいという学者側の実用面、商品提供によって広告効果が期待できるメーカー側の販促面と双方に嬉しい慣習。

B風呂敷
HBM.jpg国際会議に合わせて作製されたオリジナル風呂敷。中央には大きくHBMの文字が筆風の書体で書いてある。その作者は若かりし頃、書道で文部大臣賞を受賞したとの誉れ高い中村克樹氏。実際には奥さんのアドバイスで、なんと歯ブラシを使って書いたもの。ほかにも、ポスターや扇子(→125ページ)などが作製された。

 

 

 

C伊達政宗のマーク

伊達政宗.jpg

 

 

 

 

 

 

 

P125

扇子

扇子.jpgHBMの際に「日本で開催される学会なんだから紋付袴で行くか?」「じゃあ扇子も作らないかん!」という与太話のノリでオーダーした扇子。川島教授は「隆蝶」、泰羅教授は「雅蝶」、中村部長は「かつ乃」と芸者風にアレンジされた名前が入っている。(かつ乃さんはまだ舞妓さん)ちなみに、HBMに紋付袴で出席案は諸事情により断念したそう。

 

 

 

 

(院長註:日曜日の朝7:00からやっている番組の書籍版です。放映は2007年8月19日だそうです。泰羅先輩こんな番組にも出ていたんですね。すごいなぁ。ニンテンドーDSの脳トレシリーズはこの時点で1400万本売れていたそうです。川島隆太教授もラグビー部出身だそうです。iPS細胞の山中教授も。大学は違いますが、なんかラグビー部OBの活躍がめざましいですね。昔の基礎医学の教授といえばいかにも学者然とした堅物ばかりのイメージがありましたが、今は全然違うみたいですね。なんか遊んでるみたいな楽しんでる感があって非常にイイですね。)

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