鉄砲を捨てた日本人

「鉄砲を捨てた日本人 日本史に学ぶ軍縮」ノエル・ぺリン、川勝平太訳、1991

裏表紙より

十六世紀後半の日本は、非西欧圏で唯一、鉄砲の大量生産に成功し、西欧のいかなる国にもまさる鉄砲使用国となった。にも拘らず江戸時代を通じて日本人は鉄砲を捨てて刀剣の世界に舞い戻った。武器の歴史において起るべからざることが起ったのである。同時代の西欧では鉄砲の使用・拡大によって戦争に明け暮れていたことを考えると、この日本の<奇蹟>が示唆するところは大きい。

(院長註:種子島への鉄砲伝来は1543年。1600年の関が原の戦いまで戦乱の時代で日本の銃の生産、使用量は世界一に。江戸時代になって銃の使用は激減。幕末に坂本龍馬が革靴にピストルで現れたのがハイカラに。初期の火縄銃では一発の弾丸を込める間に、15本の弓矢が撃てた(P48)そうで、銃を武器に選択した方が、むしろ戦に敗れるような場面もあったそうです。また雨が降ると使えなくなるので、使い物にならなくなった銃を武器に殴り合いが始まるような場面があったそうです(P49)。それが1575年の長篠の戦(織田信長軍対武田勝頼軍。織田軍勝利)では、一番隊、二番隊、三番隊と用意され、交代で弾込め、発射と戦術もアップしたそうです(P54)。薄い本ですが、得られる情報量は多く、引用文献も明示されていて、非常に有意義な一冊でした。)

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