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東南アジアから見た日本はすごい
「5年から10年で、日本は力強くカムバックする」
リー・クアンユー「回想録」の興味津々
2000.10.6週刊朝日P42船橋洋一の世界ブリーフィング
 シンガポールのリー・クアンユー上級相がこのほど、一九六五年の建国以来この国を率いてきた政治指導者としての見聞と省察を満載した回想録『第三世界から第一世界ヘ シンガポール物語:1995−2000』(From Third World To First  Singapore Story:1995−2000)を出版した。
 七百ぺ−ジを超す大部である。シンガポールの現代史にとどまらずに、アジア現代史の貴重な証言ともなっている。アセアン各国、米国、中国、欧州ほか、親交を深めた政治指導者とのやりとりなど興味津々だ。教義や理論の囚人になることを拒否し、「どうしたらうまくいくか」(How It Works)から問題を考えることを自らに課してきた現実主義者であり、実務家であるリー・クアンユーならではの国際社会を生き抜く知恵が随所にダイヤモンドのような輝きを放っている。
 ここでは、リー・クアンユーの日本観察に絞って、さわりを紹介することにしよう。
 戦後の日本の経済発展に鼓舞されたという点では、リー・クアンユーもまた他の多くのアジアの政治指導者と似通った経験を待っている。「日本にできることはわれわれにもできるはずだ」との確信を持った一人である。
 日本の産業の発展の目覚ましさを目の当たりにし、「この国はトランジスタのメーカーとセールスマンで満足できるような国ではない」とニクソンとの会談の際、ニクソンに語った。六九年のことだ(ニクソンは回想録でその発言に触れている)。
 とくに、日本の経済の底力を確信するに至ったのは、七三年の石油危機後、日本が短期間で見事に立ち直った姿を目の当たりにしてからである。その二年後、日本を訪問したとき、日本企業の省エネに対する真剣な取り組みと、日本の国際競争力の目覚ましい回復に圧倒された。
 リー・クアンユーが出会った日本人のうち、もっとも印象深かった日本人は、各界のリーダーというより名もなき普通の日本人である。靴磨きや料埋人やバーテンダーやホテルの客室係である。彼らの仕事に対する誠実な態度と仕事への誇りに、リー・クアンユーは打たれる。彼の好きな日本は職人の日本、のようである。
それに、日本人の責任感の強さ。
 シンガポールに進出したIHIの現地会社に勤める日本の技術者がコスト見積もりを間違ったため、石油貯蔵タンクの受注に失敗した。それもあって会社のその期の業績は芳しくなかった。深く責任を感じた彼は自殺した。
 「われわれは衝撃を受けた。シンガポール人で、そういうことにこのように責任感を感じる人間などとても思いつかなかったからだ」
 九五年の阪神大震災の際の神戸の住民の取り組みと振る舞いに対しても感銘を受けた。「日本では略奪も暴動もまったくなかった。人々は実に禁欲的に行動した。九二年のロサンゼルスの地震の際の暴動と略奪の勃発とは大違いだった。日本の会社は食料、避難所、衣服を提供するため、必死の努力をした。ボランティアが次から次へとはせ参じた。ヤクザでさえ、ひとはだ脱いだ」
 かくしてリー・クアンユーは、「戦時中の日本軍の占領時代の体験と、そこで焼き付いた日本への恐怖感にもかかわらず、いまでは日本人を尊敬し、崇拝する」までになった。 

経済より政治が日本の真の問題

 しかし、日本の文化の凝集力と組織力は、その一方で日本の閉鎖性とわかりにくさを生む結果ともなっている。それに対する目は厳しい。
 例えば、九○年代、シンガポールに現地法人を置いている世界の多国籍大企業でシンガポール人をトップに据えているのは米系は八○%以上、欧州系はほぼ五○%であるのに比ベ、日系はわずか一人にすぎない(その名はNECとわざわざ明記している)。
 そうした開鎖性は、これからのグローバリゼーションの時代、日本にはマイナスに働く危険性が強い。
 「日本はデジタル革命を深く取り込まなくてはならないし、終身雇用制も変えなければならないだろう」
 それでも、日本は一般の人々の教育の質の高さによって十分にこの挑戦を乗り切ることができるだろう。米国ほど起業家精神はないかもしれないが、若い人々には想像力、創造性、革新的アイデアは欠けてはいない。「向こう五年から十年以内に、日本は力強くカムバックするだろう」と予測する。
 ただ、日本の真の問題は経済ではなく、むしろ政治にある。なかでも日本がうまく対応できないのが歴史問題である。それが壁となって、日本は政治大国になることができない。
 過去を正面からちゃんと謝罪しない日本は、過去の侵略行為や犯罪行為を悪いと思っていない国なのだろう、そういう日本を常任埋事国に推すのはいかがなものか、と近憐諸国は考えている、とリー・クアンユーは指摘する。日本が湾岸に自衛隊を派遣することを決めたとき、リー・クアンユーは「アルコール中毒患者にウイスキーボンボンを与えるようなものだ」と言ったほどだ。
「歴代の自民党の政治指導者は過去の問題に直面してこなかった」
 細川護煕、村山富市といった自民党以外の首相の歴史問題に対する取り組みと気待ちの表明に比ベ、自民党のリーダーたちのこの問題への取り組みはいかにも不十分である。なぜ、日本の政治指導者は過去と直面し、それを心から謝罪し、それを一刻も早く過去のものとして未来に踏み出さないのだろうか、との疑問を何度も殺げかける。
 リー・クアンユーの目から見れば、湾岸戦争の際、うろうろしてみっともなかった海部首相は政治家として落第である。「もしあのとき、まだナカソネ(中曽根康弘)が政権にいたなら、彼はあの思い切ったやり方で、喜々として難局に取り組んだところだろう」と、「歴史のもし」まで持ち出している。
 にもかかわらず、その海部首相が九一年五月、シンガポールでのスピーチで語った言葉はそれまでの歴代首相にはない心のこもった言葉だった、と肯定的に評価する。海部首相は“sincere contrition at past Japanese actions……〃(日本の過去の行為に対して心からの痛切な気待ちをお伝えしたい……)という表現を便った。「それは心がこもっていた。しかし、それはなお謝罪の一歩手前の表現だった」  

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