日本人の肉食 弥生時代の家畜飼育

弥生時代の家畜飼育、歴史の中の米と肉、原田信男、平凡社選書147、1993

(p43)また肉の供給についても、狩猟以外に家畜飼育による方法を考慮する必要がある。先に縄文時代における猪飼養の可能性について触れたが、弥生時代においては、これまで猪と考えられていた獣骨や歯には、歯槽膿漏に冒されたものも認められ、それらが野生の猪ではなく、家畜化された豚のものである、という指摘もなされている(西本、一九九一)。
 これまで日本には、食用家畜が存在しなかったとされており、この場合には世界史的に見ても、日本はきわめて特異な食生活を営んだことになる。一般に稲作には、豚の飼育を伴う例が非常に多く、弥生の猪が豚であれば、本格的な農耕を営み始めた段階では、日本人の食生活も、アジアのなかで例外に属さなかったことになる。おそらく日本人も、弥生時代には食用家畜を有していたと考えるほうが自然であり、狩猟と併せれば、肉食が食生活に占める比重は、かなり高かったものと思われる。

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