管理により意欲が減退 行動の主体は自己

「管理により意欲が減退行動の主体は自己」熊大附小PTA ふたば平成14年3月13日

 「行動の主体は自己である」という意識を持たせる 熊本大学名誉教授岩崎健一(平成十年度〜十一年度)

  昨年は熊本で全国高校総体があり、地元の選手たちが活躍して盛り上がった。私も、いくつかの学校の心理面を担当したが、そこで気になることがあった。選手の心理的能力の調査で、ある学校に集中して競技意欲の低い群がみられたことである。全国をめざす選手の多くは、高い競技意欲を示すのが一般的である。しかし、これはいったいどうしたことであろうか。

 その後の面接で分かったことであるが、この学校では、チームや個人の目標設定から日常の練習計画に到るまですべてを指導者が管理しており、選手達には介入の余地がないということであった。これでは選手は将棋の駒であり、指し手が敷いたレール上を、ただ動かされているだけであり、やる気も湧くまい。

 心理学者ド・シャームの研究によると、行動の主体が自己にあるか他者にあるかという認知によって、動機づけの強さが大いに異なるという。つまり、自己が行動の主人公であり、自己の運命や行動を支配しているのは自分自身であると認知している場合には動機づけが高くなる。逆に、自己の運命は他者に支配され決められていて、自分の行動はあやつり人形にすぎないと感じている場合には、動機づけが高くならない。

  従って、指導者がすべてを管理するのではなく、ある程度は選手自身の自主性に任せるようにして、主体性を促す配慮が大切である。子供を将棋の駒にしないためにも、心すべきことであろう。

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