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状況は随分変わってしまいましたが、この文章もいいこと言っているなと思ったんですが。

 

週刊文春2001.2.22P54阿川佐和子のこの人に会いたい
(前略)
阿川 暗闇の時代はどうなさってたんですか。
堺 幸い僕にはすごく信頼出来る友達がいますし、僕も正直に「僕、今、トンネルに入ってんのよ。何やってもダメ、最低なの」って言えるんてす。それはすごく素敵なことだと思ってる。変に着飾って「いやもう忙しくて」って見栄を張って生きて行くようなことだけはしたくないんてすね。
阿川 ほお。
堺 だから、若い人たちにも言うんです。「トンネルに入ったなら、とことん入りなさい。必ず出口があるから。途中で縦穴掘って逃げて行くことだけはしちゃダメ。トンネルを抜ければ強くなってるよ」って。
阿川 暗闇のときでも、仕事がまったくなくなったわけじゃないでしょう。
堺 あるんですけど、当たりがないというか、空回りしちゃう。それで、仕事が少なくなったこともありますし…。そのときに、「この仕事、やってみない?」と言ってくれた方には一生恩義を感じてますね。
阿川 そうでしょうねえ。その暗闇の渦中ですね、平成元年に岡田美里さんと再婚されて。お二人のお嬢ちゃまはお幾つになられました?
堺 十歳と六歳。僕、生れたばかりの長女を抱いたとき、「こんなにいとおしくて、愛せるものがあるのか」って思った。女房には言えないけど、ほんとに人を愛したのは子どもが初めてですね。
阿川 そんなにうれしかったですか。
堺 そのとき、「こんなに家庭が幸せなら、仕事にまで幸せ望んじゃいけない」と思って、神様と交渉したの。「このまま家庭の幸せを続けてくれるなら、仕事はそこそこで十分です」って。
阿川 神様は何て仰ったの?(笑)
堺 印鑑特って来てね(笑)、「その心構えならばいいよ」ってポーンと押してくれて、契約が整ったんてす。
阿川 「欲持つでないよ」と。
堺 そうそう。だから、その頃からキャラクターが変わって来た。そうしたら、仕事もいい回転をしはじめたんですよ。
阿川 どういう風にキャラクターが変わったんてすか。
堺 うん、貧欲やがむしゃらじゃなくなったし、捨てることを覚えたっていうのかな。具体的に言えば、ここでこう言おうと思っても、タイミングを逃したら捨てる。僕が喋ろうとしたとき、誰かが喋り始めたらスッと引くとか。
阿川 それ以前は…。
堺 もう相手の口を押さえてでも、ナイブ突き付けてでも、「喋るな、この野郎!俺が喋るんだッ!」って(笑)。それを少し捨てて、引けるようになった無欲さがよかったのかな。
阿川 第四期は平成三年から三年連続で『紅白歌合戦』の司会をされた頃からですか。
堺 『チューボー』が始まった、平成六年頃からでしょうか。
阿川 私、あの番組、大好きです。
堺 ありがとうございます。僕、食べるのは好きなんですけど、料理は今でも得意じゃないんです。うまくなろうとか、金子信雄さんになりたいとか思ってませんから(笑)。
阿川 なりたいのかと思ってた。
堺 ただ、僕はゲストの方が気持ちよく帰ってくれることが一番好きで、あの番組は、みなさん、リピーターになってくださってるから嬉しいてすね。
阿川 最初のアシスタントは雨宮塔子ちゃんで。局アナをやめて、フランスに留学しちゃいましたけど。
堺 一年ぐらい前かな、『チューボー』のスペシャルでパリに行って、彼女にも出てもらったんです。市場に行ったら、塔子ちゃんがフランス語でワーッと喋ってんですよ。帰国してから、スーパーを入れるために通訳の人に聞いてもらったら、「これ、何喋ってるんでしょうか」って困ってた(笑)。なんだ、あいつ詐欺師みたいなやつだなって(笑)
阿川 ご本人はぺらぺら蝶ってるんてすか。
堺 ぺらぺら媒ってるの(笑)。でも、あの子で『チューボー』がすごくよくなった部分がたくさんあったんですよ。今の木村さんもすごく頑張ってやってくださってますし。
阿川 木村さんとのコンビもいいですね。
堺 『チューボー』を始める前、十年前ぐらいから、特番なんかに必ず局アナが出てくるようになってね。僕、最初は「何で俺が局アナと一緒に番組やんなきゃいけないんだ」って思ったんですよ。
阿川 何でですか。
堺 「この人たちは笑いをやる人じゃないでしょう。笑いの方程式を分かっているのか」って、抵抗がありましたねえ。
阿川 今は?
堺 全然なくなりましたけど。今は方程式が分かってないからこそおかしいという図式があるじゃないですか。それに気がついたんですね。僕、やっぱり昔の人間だから、人より分かり方が遅いのね。理解するまで何年かかかりましたですよ。
阿川 司会の仕事はいかがなんですか。
堺 自分を抑えることを覚えた頃から、司会も少し楽になりましたね。でも、司会はやっぱりつまんないね(笑)表現する人を紹介する役より、やっぱり自分で表現するほうが素敵だなって、ここんとこ思ったりしてますけど。
阿川 でも、芸能界で自分を抑えるって大変でしょう。前に演歌歌手の方に伺ったら、歌手が十人ぐらい舞台に並ぶと、みんな自分だけ目立とうと一歩前に出て、ついにほ舞台から落ちそうになっちゃうんですって。
堺 そうね。僕は、ほら、神様と契約したから(笑)。でも、歌手の方に限らず、みんな一国一城の主になりすぎたね。地に足がついてないような気がする。
阿川 そうですか。
堺 テレビで立派になっちゃダメ。テレビでベテランになっちゃダメ。昨日出て来た人とも旧知の仲のようにやらなきゃダメ。テレビは社交場のパーティなんですから。
阿川 ほほぉー。
堺 いろんな思想を持ってる人、いろんな宗教の人、いろんな家柄の人が集まってるから、いちいち聞いてたらきりがない。だから、今日は慈善パーティという気分で、それに向かってみんなが行けばいい。終わったら、解散すればいい。そういう考え方で行けば、自分を主張しなくてもすむし、相手の言うことに「君、それは違うよ」とも言わなくてすむ。

阿川 はぁー、なるほどねえ。
堺 仕事をやるときに、僕はバラエティに出てくる役者さんなんかによく言うんです。「一時間や三十分の番組に出るということは、その時間を使って自分のコマーシャルをやらしてもらってるんだと考えなさい。すると他の人が見て、『ああ、こいついいねえ』とか思ってくれれば、その番組から発信することで次の段階に行ける。テレビに利用されちゃダメだよ、利用しなさい」ってね。
(中略)
阿川 さすが人生の浮き沈みを経て立派になったもんじやのう。
堺 みなさんからも「丸くなったね」と言われるようになりましたねえ。
阿川 テレビで堺さんを拝見してると、ホントにいい感じに年を重ねられてるなっていつも思うんです。
堺 人間って、最初ギザギザでどこを触っても痛いぐらい刺々しいのを、みんなポコポコ削っていって最後は小っちゃい丸になっちゃう。でも、僕はぞのギザギザを何かで埋めて大きい丸になりたい。そうすると、大きい丸で、なおかつどこを触っても傷つけない人間になれるかなと。
阿川 何で埋めるんですか。
堺 それが分かんない。今探してる最中なんですけど。僕、四十五歳のときから、五十五歳までに自分の芸風をつくりたいとも思っていたんです。
阿川 何で五十五歳までに?
堺 父親(喜劇役者の堺駿二さん)が五十四歳で死んでますから、五十五は父が踏み込んでない年。そこへ行って初めて、僕、一人になる。だから、そこへ行くための自分の芸風をつくりたいと。でも、できなかった。
阿川 どんな芸風を?
堺 う-ん、言葉では言い表しづらいんですけどもうちょっといろんなものを捨ててやる形がほしかったんです。
阿川 歌も役者もバラエティも司会もおできになるけど、少し整理するとか?
堺 そう。でも、僕はそういう仕事が来るまで、我慢できないんですよ。あれもやりたい、これもやりたいで、餌が来たら何でもガブッて食べちゃう。入れ食い。言葉は悪いけど助平なんですね(笑)。まだ、それが直らない。だから、我慢してる人をみると、すごい勇気だなあ、羨ましいなあと思いますね。
阿川 お父様が亡くなられた年齢になられて、改めてお父様を見る目は変わりましたか。

堺 父親は最高の二番手をやった男なんてすね。そういう父を、昔、僕は勇気がない男だと思ってた。もっと預張ればいいじゃないかと。でも、最近は、自分の一番いいポジションを見つけて、そこから動かない勇気もすごいなと思っているんですよ。
阿川 強いお父様だったんですね。父親の忘れられない言葉があってね、「途中でやめることだけは絶対するなよ」と。これはもう遺言みたいなものなんてす。
阿川 シンプルだけど、重い言葉ですね。
堺 そうなの。だから僕は娘たちに、どんな仕事をしたかは別だけれども、パパは三十八年間仕事を一回も変えてない、それだけは誇りに思って欲しいんですね。

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