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  過労死、または過労からうつになり、過労自殺して労災に認定されたものと、申請中のものです。小児科が多いですが、歯科も一人います。上から3番目の1998年8月大阪の私立医大研修医が、これは関西医大ですが、急性の心筋梗塞です。私立医大の研修医が悲惨で月に5万円しかもらえなかったそうです。全国で一番安いのが、慶応で、月2万5千円だったそうです。亡くなる前の2ヶ月半で、338時間の時間外勤務をしていたそうです。時給にして150円だそうです。研修医は労働者かどうかという議論がおこり、労働者であれば、労働基準監督署の指定している最低賃金(熊本県で620円です)を完全に下回っているということで、現在の研修医制度につながっているようです。アルバイトの禁止と引き換えに月30万円程度が保障されるようになりました。
  1999年に亡くなった東京の小児科勤務医は娘さんが医学部に合格し、お父さんと同じ小児科医になると言っていくつかのマスコミにも取り上げられました。
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  過剰適応(オーバーアチーバー、精神科用語)とは「本人には自覚されないままストレスとして蓄積され、それが最高潮に達すると、燃え尽き症候群や過労死予備軍になってしまう」となっています。劣悪な労働条件のなかで、事故を起こすまいと必死になって働いているうちに自分では意識しないうちにいってしまっているようです。
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  お産の安全度は随分高まりました。妊産婦の死亡数は10万あたり一桁ですから、まず死なないのが当たり前、お母さんが死んだらまず訴訟です。100万円以上の賠償金を4回以上払っているとリピーターと言われるそうです。特定のドクターに訴訟が集まる傾向にあるようですが、単純に産婦人科関係の訴訟数と産婦人科のドクターの数で割ると、一生のうち、二人に一人は被告人として裁判にかけられるそうです。
  日本ではドクターの賠償責任保険は年間5〜6万円で収まっていますが、それでも小児の脳性マヒへの補償額は1億数千万円が当たり前だそうです。
  明治の頃までは子供10人生んで、3人育てばいいと言う状況だったらしいのですが、今出産1000当たり3.2でアイスランドの3.0に次いで世界第2位ですが、小児科のある大学病院やこども病院で新生児集中治療室があるのが全体の16%だそうで、欧米並みに新生児集中治療室を用意すれば、年間500人はまだ救えるということです。
  未熟児網膜症の裁判で、設備が十分でないなら、この場合は新生児集中治療室がないなら、ということだと思いますが、救急患者を受け入れるべきではなかったという判決がでたことがあるらしいです。このあたりがたらい回しの一つの原因でもあるようです。

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  「県立大野病院事件」というのがありました。ドクターの間では結構有名な事件だそうで、2004年12月に福島県県立大野病院で出産した妊婦が大量出血で、止血中に死亡したというものです。癒着胎盤だったということです。
  出産時の死亡の三大原因は、産褥熱、妊娠中毒、出血です。
  胎盤は胎児の付属物です。親子といえども遺伝子は半分しか共通しない、別の生き物ですから、胎児血と母体血とは混じりあってはならないため、胎盤を通して、酸素と二酸化炭素、栄養物と老廃物の物々交換を行っています。胎盤側からは絨(じゅう)毛という突起が無数に出ており、その周りに母体血が激しく噴出する構造になっており、胎盤がはがれると子宮の内側の広い面積から湧き上がるように出血します。赤ちゃんが出た後なら、子宮そのものが急速に縮んで出血は間もなく止まります。しかし、ちょっとでもタイミングが狂い、胎盤が早く剥がれたり、部分的に残ったり、子宮が完全に縮まなかったりすると、出血が止まらなくなり、30分も放置すると、母体死になるそうです。
  普通の器官ならしみでるような毛細血管出血ですが、子宮では広い面から湧き上がるようなモウのない細管出血となり子宮摘出のほか手の施しようがない場合があるそうです。
  癒着胎盤は胎盤の一部が子宮に癒着してしまっているために、子宮は摘出を免れないそうです。胎児を先に取り出そうとして帝王切開をして、その間にお母さんが亡くなってしまった。
  産科のドクターが1年3ヵ月後に業務上過失致死傷罪で逮捕、起訴されたということでドクターたちが猛反発、インターネット上でドクター達が参加できるサイトがあるらしいのですが、そこで大分議論が行われたようです。結局「こんなので逮捕、起訴されるのであれば産科医なんかやってられないよ」ということです。
  昔は医療訴訟というのは民事で行われていたそうですが、患者側が医師の過失を証明しなくてはいけない大変な訴訟だったのですが、最近様子が変わってきているそうです。桶川ストーカー事件、これは「いうことをきかないと殺すぞ」と脅迫を受けていた被害者が警察に相談に行っていたのに、警察はなにもしてくれないで、本当に殺されてしまったという事件ですが、この事件以来、警察が「民事不介入」の原則を崩し、どんどん民事にも首を突っ込むようになったということです。医療崩壊の小松秀樹氏によると山梨医大にいた25年間で警察が病院に入ってきたことは一回もなかったのに、虎ノ門病院で昨年1年間で3回あったということです。

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