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  「これが日本の医療の実態だ!!」と題して週刊東洋経済が特集を組んでいます。2007.4/28・5/5号ですが、よく調べてあります。その目次を見ていきますと
・医師数は8年間で1割増の一方産婦人科医は6%減
 産婦人科はわりにあわない、というのが医学生たちの間では常識になっていて、昔は医学部の卒業生のうち1割ぐらいが産婦人科に行っていたのに、今では、2~3%しか行かなくなってしまっているそうです。100人定員では昔は10人、今は2〜3人ということです。熊本大学では今年の春の入局希望者は1人だけだそうです。しかも行くのも女の人が多いようで、20歳代では産婦人科医の7割が女医だということです。若い人が産婦人科医になりたがらない、ということで今、産婦人科医の4割が60歳以上だそうです。産婦人科医の4割が60歳以上。激務と言われていますから、70歳以上ではなかなか大変でしょう。引退が増える10年後がものすごく心配されています。10年後には4割の産婦人科医がいなくなるわけですから。
・20代小児科医の勤務時間は週68時間
 命を預かる飛行機のパイロットは勤務時間が85時間と上限が決められています。週ではなくて、月にです。月に85時間以上働いてはいけないと決められているそうです。それと比べるとドクターはやっぱり3倍以上働いています。また、オンコールと言ってポケットベルや携帯電話での呼び出しで病院に駆けつけられる様、待機していなければいけない状態、休みでも遠くにはいけないのですが、一般の業種では勤務時間に入れられるらしいのですが、医療の現場では実際に病院で働いた時間しか算定されないそうです。法定労働時間は週40時間で、月80時間の時間外労働で、労災認定基準に達します。1月4週と考えて週20時間の超過勤務は週60時間の労働時間となります。週68時間は労災認定基準を完全にクリアしています。ある調査では勤務医の3分の2がこの労災認定基準をオーバーしているそうです。(大阪府医師会勤務医部会のアンケート調査、2006年8月発表。誰が日本の医療を殺すのかP64)
・歯科医の5人に1人は年間所得300万円
 2005年6月に行われた厚生労働省の医療経済実態調査に基づき週刊東洋経済の編集部が試算した結果だそうです。これは、いくつかのメディアで取り上げられました。
・ 勤務医の9割近くが夜間当直の翌日も通常勤務
 当直の日は朝出勤して、一日働き、そのまま当直に入り、次の日の朝で24時間。それから通常の8時間勤務をこなして、連続32時間勤務が当たり前だそうです。当直というのは本来入院患者の急変に対応するもので、急変さえなければ充分寝れるはずなのに、東北や北海道の地域では救急病院が少ないこともあって、結構遠くから患者さんがひっきりなしに来られるようです。当直医の平均睡眠時間は3時間半というデータもあります。(川渕先生P58、2003.9に行われた関東東北地方の急性期病院勤務の小児科医アンケート)
  当直明けの脳は、酩酊状態といって酔っ払いと同じ程度に判断能力が低下するそうです。ある調査では、当直明けの手術参加が「いつも」と答えた人が31%、「しばしば」と答えた人が28%いたそうです。(日本外科学会会員アンケート調査、2007年4月発表。誰が医療を殺すのかP69)
  ちなみにパイロットの場合、敏捷な反応と無理な飛行計画は両立しないからという理由から休みなく、連続して飛ばないように飛行計画が組まれています。
  また寝てないにもかかわらず、応対が無愛想とか投書されたりすることもあるそうです。
・自治体病院の累積赤字は何と1兆7820億円
 今までは地方交付金で何とか乗りきってきましたが、地方交付金も減らされ、地方自治体が本当に苦しい状況のようです。ある町では、200万円の税源を譲る代わりに1億円の地方交付金を減らされたというところがあるそうです。
・根室市では救急車の搬送を除き夜間救急受入中止
 根室市立病院では2005年に17名いた常勤医師が、6人になってしまってとうとう夜間の救急外来を休診にしたそうです。ここでは北方領土のロシア人の受け入れまでやっていたそうです。6人では「とても体がもたない」と悲鳴を上げているそうです。
・新人看護師の1年以内の離職者は看護師養成所140校分(離職率9.3%)
 昔は「きつい、きたない、危険」の3Kだったのが、今ではそれに、「規則がきびしい、給料が安い、休暇がとれない、化粧がのらない、婚期が遅い、薬に頼って生きている」が加わって9Kだそうです。「日勤夜勤」というのがあって、それが1番きついということです。一応3交代制になっているのですが、日勤は朝8時半から夕方の4時半の勤務で、それが書類などの事務作業で夜9時ぐらいまでになるそうです。12時から始まる夜勤までほとんど休む時間なく、連続30時間ぐらいの勤務らしいです。夜勤が月に10日というのはザラということです。現代の女工哀史だと言われています。これだけ頑張っても、医療事故によって法廷に立たされることがあります。新人の看護師で被告人の立場に立たされればまず辞めると言われています。
・ 国保保険料滞納は東京23区だけで52万世帯
 東京都北区で1984年に一世帯平均3万9千円だった国保の保険料が2004年には7万9千円に倍増しており、一方国保世帯の年間所得は1990年度の276万円から2004年には165万円にまで落ち込んでいます。厳しい暮らしの中で、何とか頑張っている人たちが、保険料を払えず滞納しているようです。比較的景気の良いと言われる東京でこの様子です。

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