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アメリカ医療を理解するKey  Wordとして
・HMO(Health Maintenance Organization)アメリカでもっとも一般的な民間健康保険だそうです。安くてそこそこカバーできる保険で、民間の保険会社は全米で7百社以上もあるそうです。
・ウォール・ストリート・メディシンは次のメディカル・ロス、マネイジド・ケアとも関連してきます。ウォール・ストリートとはご存知の通り、日本の兜町、証券会社が集まった株の町です。民間の保険会社は株式会社なので、株主が多く集まってくれないといけません。メディカルロスとは、実際の医療にかかったお金で、政府が税金で運営するメディケアのメディカルロスは97〜98%らしいのですが、投資分析家はメディカルロスが85%以上だと配当を期待できないと判断し、優良な投資対象なるためには80%をできれば超えないことを期待しているそうです。医療保険を国家がやると医療以外に使われるお金は2〜3%なのに、民間にまかせると集めた保険料の20%が実際の医療以外のことに使われるということです。ちなみにオックスフォードHMOという会社のCEO(最高責任者)の年収は35億円だったそうです。民間に出来ることは民間に、じゃなくて医療は国が管理すべきと今回読んだ本は全員一致でした。とにかく医療の内容まで、株主の意向を汲んで決められてしまうのが、ウォールストリートメディシンです。マネイジドケアは、メディカルロスを抑えるために、これ以上の治療はやってはだめ、この抗生物質は使ってはだめと医療に制限を加えることです。
・ドライブ・スルー出産は次のSicker  and  Quicker(まだ重いのにもう退院)とも係ってきます。本当にドライブ・スルーで出産するわけではなくて、分娩後24時間以内に退院しなければ、一日数万円の入院費を払わなければいけなくなるということです。保険でカバーできるのは24時間までということです。ミリマン&ロバートソンというコンサルタント会社が作ったガイドラインが一番使われているらしいのですが、それによると、標準入院期間は乳がん手術1日、脳卒中1日、肺炎2日、心筋梗塞4日、冠動脈バイパス手術4日と決められているそうです。患者にとっては自腹を切りたくなければ規定日数以内に退院しなくてはいけない。点滴をつけたまま退院という場合もあるそうです。まだ具合が悪いから通院したいという場合は病院の近くの安ホテルに泊まるわけですが、そのホテルもその病院が経営しているという例が実際あるそうです。

・ Cherry  Picking,Cream Skimming(弱者の排除)はさくらんぼ摘みとかクリームすくいと言われるもので、実際に医療に使われる部分を減らすために、病気を持っている人は契約の時点で、はじかれるということです。太りすぎ、やせすぎもダメ、また虚偽の申告では支払いの時点で拒否されます。
・負担の逆進性は、保険証を持たない患者が来たらどうするかです。値段は自由に決められますから、普通の保険の5,6倍を請求するところが多いそうです。大手の企業とかは契約額が大きいですから、保険会社との契約も強気で安く契約できます。貧しい人ほど高い医療費を払わせられるということです。
・ ディフェンシブ・メディシン(医療費の無駄)というのは、防御医療です。出来高払いの保険では、訴訟に備えて、本来必要のない検査や、専門医への紹介が行われるということです。可能性の少ない診断に対しても、考えていたよというモーションを示しておかなければいけないということで、無駄な医療費が使われるということで、その額は実際に医療訴訟の賠償額の倍になるということです。
・バンパイア効果。バンパイアというのは吸血鬼です。吸血鬼に血を吸われると吸血鬼になってしまうということです。アメリカの病院には非営利で経営されている病院から色々な経営形態があるそうですが、HMOが直接経営している病院が14%ぐらいあるそうです。非営利で少し高くても出来高払いでいい治療をしている病院も、近所に安くて治療制限のある病院が出来ると、患者さんはみんなそっちへ行ってしまうので、対抗して診療を変えていかなければいけなくなってしまうということです。
・全米ライフル協会(NRA)はメディケアで薬代は自分で払うということが出ましたが、自分で保険に入らないといけません。制限なくカバーしてくれる保険は年間24万円ぐらいするらしいのですが、全米ライフル協会では会員に対して、21万円の格安の保険を提供しているそうです。そのため少しでも安い保険を求めて、今まで一度も銃とか持ったことのない人や、銃の所持に反対している人までも、協会の会員になっているそうです。

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(金額はレートで変わってきます。)

・民間保険が国を揺るがす
  保険料が毎年20%近く上昇
  2000年から6年間で平均87%増加
・ある程度満足のいく民間保険の年間保険料は個人加入で60万円、家族加入で120万円
・ 2000年民間企業の69%が医療保険を被雇用者に提供→2005年には59%に  公務員は所属している公共団体が、たとえば国とか州とか市とかが医療保険は払ってくれます。大企業は企業が払ってくれて、それが、その企業に入る魅力の1つになるのですが、保険料が高くなりすぎて5年間に10%の企業が医療保険が支払えなくなったということです。
・ GMは車1台の原価(鉄)6万4千円に12万円の医療サービス代を上乗せせざるを得ない
               ↓
          国際競争力を失う

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