ノンクラスプデンチャー(見える所に金属のバネを使わない部分入れ歯)

今当院で一番数が出ていて、患者さんの満足度が一番高いのがこの入れ歯だと思います。

ノンクラスプ義歯1.jpg

ノンクラスプ義歯2.jpgこれまでの部分入れ歯には金属のバネが目立つという致命的な欠陥がありました。特に前歯にしかバネを掛ける歯が残っていない場合、見苦しい思いをさせて誠に申し訳なく思っておりました。

なんとかバネが目立たない入れ歯が出来ないものかと、歯科技工士さんの創意工夫でノン(ない)クラスプ(金属のバネ)デンチャー(入れ歯)が出来上がりました。部分入れ歯のピンクのプラスチックの部分を歯ぐきに近い位置で隣の歯に引っ掛けるようにして、熟練の歯科技工士さんが目立たず装着感の良い入れ歯を作ってくれます。入れ歯を入れていることはほとんど気付かれません。コンパクト(小さい)な入れ歯になります。特に片方の奥2本だけが歯が無い場合、手前の2本にピンクのプラスチックを掛けて、片側だけで収まります。片側の奥3本歯が無い場合も同様に手前の2本にピンクのプラスチックをかけて片側だけで収まります。非常に好評です。

当院での導入当初は今の材料が日本国内で認可されていませんでしたので固い材質のものを使っていましたのでどうしても割れが発生しておりました。一昨年日本国内で認可された今の材料は非常に柔軟性に富んだものでしなります。そのためほとんど割れることはありません。またこのしなりが支える歯にかける負担を軽減します。固すぎる材質は支える歯を引き倒す力をもろに伝え過ぎます。

これで作った上の部分入れ歯の具合が あまりにいいものだから、下の総入れ歯もこれでつくったらどうでしょうかという患者さんがおられました。部分入れ歯用に開発された材料だから総入れ歯に使ってもあまり意味がないんではと思いながら、歯科技工士さんに相談しましたところ「実はこれで作った総入れ歯評判がいいんですよ。適度にしなるのがクッションみたいになるのでしょうか?」とのことです。試しに作らせていただきましたら、やはり調子いいようです。これもありかなと現在考えています。

実際の例を出します。

左上12欠損.jpg

左上1・2番の欠損です。ここに目立たないようにノンクラスプデンチャーを入れていきます。

患者さんは固定式のブリッジを望まれましたが、75歳と高齢で、右上1番がやや弱っているのと左上3番のポケットがやや深く、他にも弱っている歯が何本かあり数年のうちに義歯への移行はまぬがれないだろうと総合的に判断し、ノンクラスプデンチャーを選択しました。

ちなみに支台となる右上1番は17年以上前に他院で入れたもの。右上2番は17年前に当院で入れたメタルボンドAです。見た目も17年間保たれていました。うれしく思いました。

ノンクラスプ反転.jpg

入る二本の周りにピンクのウィングが付きます。これが両隣の歯への引っ掛かりとなります。

ノンクラスプセット時.jpg

入れたところです。どこに入ったのか見分けが付かなくなります。 入れたご本人もびっくり。ご本人にとって初めての義歯経験でしたが「装着感が良くて、入れているのを忘れているほどです。」と大満足でした。

周りの歯の汚い所もピンクのウイングが覆い隠してしまいます。技工士さんには石膏模型で渡しますので、模型の色しかわかりません。実際の歯や歯肉の色はわからないはずなのになぜかこの技工士さんが作るときれいになります。この自然観は技工士さんの力です。出来栄えに院長も非常に満足です。

保険外診療になります。 

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